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高齢者の筋力低下
東京都荒川区・台東区の皆様,こんにちは.茂澤メディカルクリニック リハビリテーション科 作業療法士の伊藤です.
年齢を重ねるにつれて立ち上がるのに時間がかかったり、歩いていてふらつくことが多くなったりと徐々に身体が思うように動かなくなるのを実感している患者様が多くいらっしゃいます。70代、80代の方からは「若いころは自分がこうなるとは思ってもみなかった」というお話をよく聞きます。
高齢になると身体にあらゆる不都合が出てくる原因の一つとして筋力低下が考えられますが、高齢になるとなぜ筋力が低下するのでしょうか。以下に、主な原因をいくつか挙げてみましょう。
1.加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア):
加齢とともに筋肉の蛋白質合成が低下し、同時に分解が増加します。これは筋肉量が減少する、サルコペニアと呼ばれる現象で筋力低下の主な原因となります。
2.筋線維の変化:
筋線維の直径が減少し、筋力発揮能力が低下します。また、異常な脂肪や結合組織の蓄積が筋肉の柔軟性を減少させ、筋力低下を引き起こすことがあります。
3.神経系の変化:
神経細胞の数や機能が減少することにより、筋肉への信号伝達が効率低下し、筋収縮が鈍くなります。
4.ホルモンの変化:
男性ではテストステロン(男性ホルモン)、女性ではエストロゲン(女性ホルモン)などのホルモンレベルが低下し、これが筋肉の質や量に影響を与え、筋力低下を引き起こします。
5.活動レベルの低下:
外出の機会が減るなど徐々に日常の活動量が減少していきます。そのため筋力を維持・向上させる刺激が不足し、筋力低下を招きます。
6.栄養不足:
食欲低下などにより適切な栄養が摂取されない場合、筋肉の形成や維持に必要な栄養素が不足し、筋力低下が進む可能性があります。
これらの要因が相互に関連し徐々に筋力が衰えるものと考えられています。人間にとって老化は避けられないものですが、適切な栄養の摂取、定期的な運動、生活習慣を見直すことにより筋力低下を予防することができます。
当院では薬物療法,物理療法,運動療法等により,痛みの改善や生活の質の向上を図っています.腰,肩,膝などお身体の痛みでお困りでしたら当院へご相談ください.
リハビリテーション科
作業療法士 伊藤
監修 茂澤幸右 (茂澤メディカルクリニック南千住 院長)