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横隔膜のはたらき
東京都荒川区・台東区の皆様,こんにちは.
茂澤メディカルクリニック リハビリテーション科 作業療法士の伊藤です.
皆さま,横隔膜と聞いて身体のどこにあるか,どんな働きをしているかイメージすることができるでしょうか.
横隔膜は胸腔と腹腔の境にある膜状の筋肉で,肋骨の下端をぐるっと囲むよう付着しており,胸腔内に円天井型に盛り上がるような形をしています.
後方では束状に集まって腰椎に垂れ下がるようにつながっています.
胸とお腹の間にいるクラゲと表現されているのを聞いたことがありますが,まさにそのようなイメージです.
横隔膜が主に働くのは腹式呼吸ですが,体幹の一部でもあるため脊柱の安定性にも関与しています.
では,腹式呼吸をしながら横隔膜の作用を感じてみましょう.
息を吐きながら下腹をへこませます.このとき,横隔膜は弛緩しドーム状にせり上がって肺を下から押し上げる状態になります.
すると肺の容量が少なくなり空気が外へ出ていきます.息を吸うときはへこませたお腹をふくらませるようにします.
このとき横隔膜は収縮し下降して胸腔が拡大することになります.すると肺の容量が増え,空気が肺に入ってきます.
下腹をへこませて息を吐くとお腹に力が入りますが,このとき働くのが腹横筋などの腹腔を取り囲んでいる腹壁の筋肉群です.
このように横隔膜と腹壁の筋肉群は協調して働き姿勢維持や運動制御に関与しているため,呼吸がうまくできなければ腰痛や腰部のケガにつながることになります.
身体は各部分が影響し合い調和して成り立っています.
特定の部位に現れた不調に関し,なぜ調和が崩れたのか,どうすれば調和を取り戻すことができるのかを考えアプローチすることが大切です.
リハビリテーション科
作業療法士 伊藤