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子供の膝の痛み
東京都荒川区・台東区の皆さん こんにちは。
茂澤メディカルクリニック リハビリテーション科 柔道整復師の福岡です。
現在東京オリンピック真っ只中で、私は連日テレビにかじりつき日本選手のプレイに一喜一憂しております。
オリンピック選手のプレイを見て身体を動かしたくなった方も多いのではないでしょうか。
さて今回はスポーツを頑張っている子供たちにみられる膝の障害では、以前お伝えした『オスグット病』はよく知られていますが、同じ成長期に起こる膝の痛みの中に、膝のお皿の上端に痛みが出る『有痛性分裂膝蓋骨』という病気があります。耳慣れない病名ですが、成長期の特に男の子が「膝のお皿が痛い」と訴えた場合考えられる疾患です。
●分裂膝蓋骨(ぶんれつしつがいこつ)ってなに?
膝のお皿が生まれつき2つ以上に分かれてしまっているものを言います。
これはお皿が割れてしまったのではなく、お皿自体が成長(骨化)していく過程で(2~6歳頃の間)1つの骨になれず大小2つ以上に分かれてしまったものをいい、両側にみられる事も多くあります。
分裂膝蓋骨そのものは悪いものではなく多くの子は無症状です。
他の部位を痛めて膝のレントゲンを撮ってみたところたまたま判明したというケースも多くあります。
そして、この部分に痛みを生じたものが『有痛性分裂膝蓋骨』と呼ばれ治療の対象となります。
●どうして痛くなるの?
激しいスポーツや運動などで過度に膝に負担をかけた場合や打撲などが原因となり、膝の屈伸運動によって分裂した部分に負荷が加わり炎症を生じ痛みが誘発されます。
●どんな症状?
特徴的なのは、お皿の上外方の痛みと腫れです。また膝関節の曲げ伸ばしでの痛みで、スポーツ活動中や、活動後に痛みが強くなることもあります。
●どうすれば治る?
基本的には局所の安静です。
また、太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)の硬さをとるためのストレッチや、膝周囲の筋力トレーニングを行うと同時に、分裂部に負担をかけない膝の使い方を習得します。
熱感が強い場合は冷湿布剤の使用や運動後のアイシング、普段ご自宅ではお風呂で患部をよく温めることも効果的です。
痛みが強い場合には運動を一時休止し、安静を保ちます。
分裂部周囲にステロイドと局所麻酔薬を注射すると痛みが軽快することもあります。
どうしてもスポーツ活動を休止できない場合は、練習量や練習方法の改善、また、テーピングやサポーターなどを使った症状の進行・悪化の防止に努め、治療を続けていきます。
また、リハビリテーションを主体とした治療で良い結果が得られないような難治例では、骨を取り除いたり、くっつける手術を行うことがあります。
当院では、子供たちの置かれている環境や立場、チーム事情なども考慮し、治療を進めていくよう心掛けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
リハビリテーション科
福岡
監修 茂澤健一(茂澤メディカルクリニック院長)